2011/06/04(Sat) 12:
05:42

でも、アスペの息子をもった今、敢えて読み返してみました。
まずタイトルの「窓ぎわのトットちゃん」の意味、これは、授業中に立ちあがって窓際に行き、チンドン屋さんに声をかけていた徹子さんの様子と、当時流行った「窓際族」という意味からの「窓ぎわのトットちゃん」なのでした。
子供の頃の黒柳徹子さんは、授業中、ちゃんと座っていられなかったり、机の蓋を何回も開け閉めして周囲に迷惑をかけたり…で、最初に通っていた小学校を退学させられてしまいます。
そんな徹子さんが、次に行った「トモエ学園」での素晴らしい日々について、書かれている本なのです。
トモエ学園の校長先生は、個性的な徹子さんすべてを受け入れてくれ、肯定してくれました。「きみは、本当は、いいこなんだよ」と何回も何回も声をかけてくださったそうです。(「本当は」の意味は、大人になってから気づいたそうです。)個性の芽を摘まずに伸ばす、個性の善悪を勝手に判断されることなく肯定されて育った徹子さんは、今本当に魅力的な方になられました。

実際、算数の認識にはかなり苦手意識があったようで、2ケタ以上の足し算は簡単にはできないようです。加えて、徹子さんが小学校3年生の時に、不運なめぐり合わせで出会った先生に、算数について「あなたは低能!」と言われてしまったことがあり、それ以降、算数への苦手意識は決定的なものになってしまったようです。
一方で、小学生の時にチェーホフを読んだとの記載もあり、やはり分野によっては天才的に進んだお子さんであったようで、バランスの悪さこそあれ、やはり徹子さんは天才だったのだろうな…と私などは思ってしまうのですが。。
結局のところ、それほど天才的な才能をお持ちだった賢い黒柳徹子さんであれ、一般的な小学校にはなじむことができなかったり、不用意な言葉に傷つけられて一生忘れられなかったり、トモエ学園の校長先生の「君は(本当は)いい子なんだよ」の言葉にずっと支えられて生きてきたわけです。
発達障害があると、簡単に損ねてしまいやすい「自己肯定感」。普段の親子関係の中でも、ちょっと良くない叱り方をしてしまったり、嫌味な態度をとってしまったりして、息子の自己肯定感の発達を妨げていないか、あらためて私自身を見直すいいきっかけになりました。
日々の生活の中で、療育や社会的な体面やら色々なことが目の前にぶら下がっているのですが、何を差し置いても一番大切なこと、「息子そのものを肯定してあげること。」これを忘れずに頑張っていきたいと思います。
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2011/05/24(Tue) 16:
38:40

あきらめないで! 自閉症 幼児編
医学博士 平岩幹男 出版:講談社
まず、お子さんが幼児期に自閉症と診断されたときに最初に手にとってみるのにとても良い本だと思います。おおまかに言うと、最初に自閉症とはどんな障害であるのかをわかりやすい言葉で説明、そして次に自閉症の療育にはどんなものがあるのかを紹介しています。
筆者は自閉症の早期療育の重要性を感じて、その情報をもっと知らせたいということからこの本を書いたそうです。
自閉症の症状について詳しく書かれた書籍はたくさんあり、また、早期療育が効果があるということもよく耳にするのですが、「じゃあ、療育ってなにから始めたらいいの?自宅ではどんなことに取り組めるの?」といつも考えていました。この本ではそれらのとっかかり部分がわかりやすく書かれています。
療育の種類を知って、必要な療育を見極めて取り組むきっかけをつくる、入口の一冊です。
ただし…この本は自閉症に焦点をあてて書かれているので、アスペルガーについてはあまり触れられていません。アスペルガーも自閉症スペクトラムに含まれる位置づけについては触れられていますが、この本の中では「発語を促す」ことなどに多く触れられており、言語に遅れのない障害を持つ息子については、少しだけずれを感じながら読んだりもしました。ただし、それを差し引いても、「療育について知るきっかけ」という意味では強くお勧めしたい一冊です。
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